1日自動車保険の補償内容を比較する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1日自動車保険は、ちょっと車を借りて運転する時に1日500円から加入できる便利な保険です。親や友達の車を借りて運転する時や、友達の車でドライブに出かけて交代で運転するというような時に必要な日数だけ加入できる短期の自動車保険です。基本的な対人賠償、対物賠償などの補償については各社で大きな違いはありませんが、特約や割引制度、サービス内容で違いを出しています。保険料も基本プランが500円、車両保険付帯で1500円ないしは1800円と同水準です。

1日自動車保険を利用するシーンによって、最適な商品、最適なプランを選択しましょう。ここでは1日自動車保険の補償内容について各社商品を比較しつつ、シーンごとにおすすめの商品を紹介していますので参考にしてみてください。

1日自動車保険の開発背景と契約数推移

1日自動車保険が発売される前は、車を借りて運転する時のための保険といえば1年更新のドライバー保険しかありませんでした。通常保険代理店の窓口などで契約する必要があり、結果的に「ちょっとだから大丈夫」と保険がかかっていない状態で運転し、事故を起こしてしまうという不幸なケースが発生していました。

そのようなちょっとした機会にスマートフォンで手軽に加入できる1日自動車保険を、東京海上日動が「ちょいのり保険」のペットネームで2012年1月に販売開始しました。「ちょいのり保険」は販売開始以降順調に契約数を伸ばし、2014年8月に累計100万件、2015年10月に200万件、2017年3月に累計300万件を突破しています。それを追いかける形で三井住友海上と、あいおいニッセイ同和損保が2015年10月にそれぞれ「1DAY保険」「ワンデーサポーター」の商品名で1日自動車保険を販売開始し、三井住友海上の「1DAY保険」については2017年2月に契約件数が100万件を突破しています。

1日自動車保険の補償内容

1日自動車保険の補償内容を確認してみましょう。基本補償と選択可能なプラン別補償内容に分かれます。基本補償については、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「搭乗者傷害保険」「自損傷害保険」「対物超過修理費用特約」「ロードサービス」などがあります。それぞれ、どのような時に役に立つ項目か、一度確認をおすすめします。

対人対物保険の保険金額については各社とも無制限になっています。搭乗者傷害保険の保険金額は1000万円。自損事故保険については死亡時1500万。保険会社によって細かな金額に差があるため、念のために確認してみてもよいでしょう。しかし、必要最低限の補償を得るという点では各保険会社のどの商品も満たしていると考えてよく、少なくとも対人賠償保険、対物賠償保険が無制限でついる時点で、万が一交通事故で他人に大けがを負わせてしまったとしても、「無保険状態であったため保険対応ができず、賠償資力もないため治療費の支払いすらままならない」という不幸な事態は避けられます。

1日自動車保険の保険期間の考え方

かつて1日自動車保険が出始めたばかりの頃は、保険期間の考え方は「1日ごと」「24時間ごと」の2種類が存在していました。「1日ごと」だった場合、午前0時をまたいで借りた車を利用する場合は、日をまたぐ前と後の計2日間分の契約を結ぶ必要があったのです。現在では各社とも24時間単位で契約ができるため、夜10時に契約したら翌日の夜10時まで1日分の契約でカバーされるようになりました。

また、最短で申し込み手続き完了時点から補償を開始することもできますが、申込日時点以降であれば先日付で補償開始時刻を指定することもできます。どれだけ先の日付までを設定できるかは各社取り扱いが異なります。1日自動車保険ユーザーにとって、どれだけ先の日付で契約できるか、が問題になることは稀かとは思われますが、加入時に確認してみましょう。

当日申し込む場合の注意点

1日自動車保険は即日申し込みが可能なのだろうか、と疑問を持つ方も多いと思います。各社とも、最短で申し込み完了時点から補償開始とすることができますので、当日申し込みは可能です。申し込みと補償開始に関する規定を確認しておきましょう。しかし注意点があり、当日の申し込みでは車両保険がついた手厚いプランを選ぶことができないということです。

参考:初めての1日自動車保険、当日手続は避けるべき3つの理由

1日自動車保険には等級があるのか?

1日自動車保険には等級がない

一般的な自動車保険は等級制度が採用されていますが、1日自動車保険には等級という概念がありません。

そもそも等級制度とは何か

等級制度とは、正式にはノンフリート等級と呼び、その契約に適用する無事故割引(割増)の等級のことです。1等級から20等級までに分かれていて、最も割引が効く等級が20等級です。他社からの乗り換えや、中断していた保険契約の等級を引き継ぐなどしない純新規契約の場合、6等級からスタートします。1年間無事故であれば等級が1つ上がり、事故があり保険金請求をした翌年は事故の形態に応じて3等級ないしは1等級が下がる仕組みとなっています。

等級がないことによるメリット

ノンフリート等級は、保険金請求をした契約者からは他の契約者より多くの保険料を徴収し、保険請求が長年に渡って無い優良な契約者は割引がきいた割安な保険料で加入できるようにする仕組みです。1日自動車保険は長期間に渡って各契約者のリスクの高さを評価することができないため、等級制度がなじまないということです。保険請求を行っても、次回利用する時には同じ保険料で利用することができます。保険金請求を行って後でも割高な保険料を負担する必要がないという点は1日自動車保険の利便性を高く保っている要素といえます。

車両保険は絶対につけるべき

1日500円から入れる1日自動車保険ですが、500円のプランには車両保険はついていません。1日当たり1000円上乗せすることで、車両保険つきのプランを選べます。「1日の負担が3倍になるのか、500円の基本プランでいいや」と考えがちですが、実は車両保険は絶対につけておいた方がよいオプションです。理由を説明します。

他人の車を運転することは、自分の車を運転する場合よりリスクが高い

これには2つの意味があります。一つは、乗り慣れていないがゆえに操作ミスや判断ミスを起こす可能性が高い、ということです。普段車に乗らない人であれば、そもそも運転に慣れていない上に他人の車で、初めて通る道を運転したりするわけです。乗り慣れた自分の車を運転するのとはわけが違うというのは想像に難くないでしょう。

2つ目が、借りた車は他人の財産である、ということです。1日自動車保険は契約者本人や配偶者名義の車両では加入できないので当たり前のことですが、実は重要なポイントです。自分の財産であれば、全損になったとしても自分があきらめれば済むことです。しかし、ハンドルを握っているその車は自分のものではありません。ちょっとでも傷をつけたら、車の所有者に対する賠償の問題となります。ちょっとの傷で済めばまだしも、大破させて全損にしてしまったらどうでしょう。どんなに親しい間柄でも、「車が無いと困るから修理代か、買い替える費用を払って欲しい」と必ず言われるはずです。「わたしが支払う必要はないと思います、それにお金がないから払えと言われても払えません」とは言い返せないでしょう。

1日自動車保険の車両保険部分は免責金額(自己負担額)が10万円、15万円などと設定されています。万が一大破させてしまい全損となっても免責金額分だけ負担すれば、それを超える部分(300万円が上限)は保険会社が払ってくれるのです。

万が一事故が起きた場合、ほとんどのケースで運転していた車両も壊れる

単独事故であれ、車同士の事故であれ、借りた車自体にも損害が発生します。自動車の修理費用がどのくらいかかるかイメージが無い人も多いかと思いますが、ちょっとした修理でもすぐに10万円を超えてしまうのが自動車です。借りる車が高級車であったり、年式の新しめの車であったりすると、車の持ち主はしっかり直してほしいと思うでしょう。せっかく1日自動車保険を活用して保険料を節約しても、借りた車の修理代で数十万円の負担が発生するとしたらどうでしょう。確実に「あと1000円だけ保険料を多く払っていれば・・・」と後悔するはずです。

追突事故のような100:0事故では借りた車の修理費用は全額自腹になる

追突事故は最も典型的な事故と言えるでしょう。よそ見、わき見、居眠りなどの前方不注意で前にいた相手自動車に突っ込んでしまう事故形態のことです。500円の基本プランでも1日自動車保険に加入していれば、相手の車の修理代、代車費用、相手の治療費や慰謝料は保険対応となります。しかし、借りて運転していた車の修理代は全額自腹になります。

過失割合は思い通りにならないことが多い

相手のある事故の場合、過失相殺(過失割合、責任割合とも呼ばれる)の問題が発生します。相手が自動車であれ、自転車であれ、歩行者であれ、交通事故が起きた場合には過失相殺率を決めて解決します。追突事故のような、明らかにどちらか一方が悪い事故であれば問題になることは少ないでしょう。

しかし交差点の出会いがしらの事故などでは、自分が思っている以上に、自分にも責任の割合が発生するということが多々あります。自動車事故の過失相殺率の基本的なパターンは、「別冊 判例タイムス」という判例集に載っています。自分の運転技術に自信があって、安全運転を心がけていたとしても、十字路の脇道から一旦停止を無視して突っ込んできた車を避けられるでしょうか。ぶつかった後で振り返って、避けられるわけがない事故だった、と思うに違いありません。しかし、「別冊 判例タイムス」を参照すると、優先道路を走っていた自動車の過失はゼロとはされていません。

車両保険をつける場合の注意点

絶対につけた方がよい車両保険ですが、注意点がいくつかあります。

事前登録から7日間以上後の契約でないと、車両保険つきプランが選べない

各社表記の仕方が異なっていますが、月曜日に契約したら、次の月曜日以降の契約でないと車両保険つきプランの選択ができなくなっています。「このナンバーの車に、7日以上後に乗りますよ」と宣言しておく必要があるということですね。これはアフロスと呼ばれる、「事故が起きて壊れた車に、事故が起きた後に保険加入して保険請求する」という保険金詐欺の抑制の意図があると思われます。

思い立ったらその日にどのプランでも入れるわけではない、という意味で利便性を損なっているようにも思えますが、1日自動車保険という保険商品の運営上の健全性を保つと意味では仕方ないことです。健全に利用する優良な契約者としては、しっかりと7日以上前に余裕をもって事前登録、加入申し込みを済ませるということが大事です。

借りる車の時価によっては意味がないことも

もし借りる車が、年式や型式から中古車市場で乗り出し8万円で手に入る車体だった場合を例に考えてみましょう。車両保険は、「修理代か、車両の買い替え代金のいずれか低い金額から免責金額を差し引いた金額」が支払われます。買い替え8万円しかかからないとしたら損害額の認定が8万円を超えることはあり得ません。そして8万円は免責金額10万円を下回っています。つまり、どう転んでも支払われることのない車両のために車両保険をかけていたことになります。

参考:1日自動車保険には車両保険をつけるべき3つの理由

1日自動車保険の保険料

ワンコインから入れる1日自動車保険は、基本プランは各社とも500円となっています。また各社同様に車両保険を付けると1500円、三井住友海上については手荷物補償をつけると1800円というプランがあります。また東京海上日動については、車両保険の免責金額を1500円プランの15万円から10万円に引き下げたプランが1800円で提供されています。

また三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保については、2回目以降保険料が4%オフとなる割引制度を用意しています。1回目に1日の契約、2回目に1日の契約という形であればもちろん2回目から4%オフになりますし、初回の申し込みでも2日以上契約する場合は、2日目以降には割引が適用される仕組みになっています。500円プランは480円、1500円プランは1440円、1800円のプランは1710円という破格の保険料で加入することができるわけです。少しでも保険料を節約して利用したい場合は、三井住友海上かあいおいニッセイ同和損保を選択するとよいでしょう。

1日自動車保険の申し込み方法

1日自動車保険はスマートフォンから簡単に申し込みができます。しかし各社とも、ドコモ、au、ソフトバンク(Y!mobile含む)の3社のキャリア契約のスマートフォンに限定されています。いわゆる格安sim(mvno)を挿して利用している格安スマホでは申し込み画面に進めません。フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)での申し込みには東京海上日動に限って対応しています。スマートフォンでの申し込み以外では、コンビニ窓口で入ることができます。コンビニ申し込みに対応しているのは三井住友海上の1DAY保険のみとなり、対応しているコンビニはセブンイレブンに限られます。mvnoが普及しつつあるので、キャリア契約のスマートフォンでもコンビニ窓口で1日自動車保険に入れるのはうれしいことですね。

参考:格安スマホや格安SIM(MVNO)で1日自動車保険は利用可能か検証する

1日自動車保険の保険料の支払い方法

スマートフォンでの申し込みの場合、保険料は月々の携帯代と併せて請求されます。スマートフォンでの申し込みの場合、それ以外の選択肢はありません。セブンイレブンの店頭で申し込みをした場合は、セブンイレブンのレジで保険料を支払う流れとなります。支払いは、現金もしくはnanacoのみとなり、こちらもクレジットカード払いには対応していません。また、残念ながらnanacoで支払ってもnanacoポイントは加算されません。

1日自動車保険の契約の際の注意点

1日自動車保険は、使う頻度によっては割高になる可能性もあります。また、補償内容は通常の1年更新の自動車保険に比べたら最低限のものに限られています。人身傷害保険もついていません。最大7日までしか申し込めないため、長期間の利用はできなくはないが何度も申し込む手間が発生します。レンタカー、カーシェアリング、高級車、など対象外となるものもあるので注意が必要です。

まとめ

1日自動車保険には便利な点と、よくよく注意すべき点がありました。各社商品をよく比較して、利用シーンに適した商品を選んで賢く1日自動車保険を使いこなしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*