1日自動車保険には車両保険をつけるべき3つの理由

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1日自動車保険には、最低限の補償のみの基本プランと、オプションとして車両補償のついたプランがあります。基本プランは各社1日500円となっており、車両補償をつけた場合1日1500円、ないしは1日1800円となります。1日の保険料が倍以上になりますが、車両補償はつけた方がよいのでしょうか。どのプランにするか、迷う方も多いと思います。結論としては、車両補償は必ずつけるべきです。理由を説明します。

車両保険とは何か

まず予備知識として、1日自動車保険の車両保険とはそもそも何でしょうか。各社呼称は異なっていますが、補償の内容はだいたい同じです。借りていた車が事故で壊れた場合、修理した場合は修理費を300万円限度に補償しますよ、買い替える場合は修理費、車の時価額、買い替え費用のうちで最も低い金額を払いますよ、という内容です。各社のウェブサイトから、車両保険部分を抜粋してみましたので確認してみましょう。

東京海上日動 ちょいのり保険の借用自動車の復旧費用補償特約

借りたお車を運転中の事故により借りたお車に損害が生じ、その損害を修理した場合、または修理せずに代替車を購入した場合に、1回の事故について300万円を限度に保険金をお支払いします。ただし、「車両補償ありプラン(プレミアム)」は10万円、「車両補償ありプラン(スタンダード)」は15万円の免責金額(自己負担額)がありますので、ご注意ください。

また、借りたお車の代替車を購入した場合は、(1)修理する場合にかかる費用(2)代替車の購入費用(3)借りたお車の時価額のいずれか低い金額を限度にお支払いします。

補償内容 ちょいのり保険

参考:ちょいのり保険|東京海上日動の1日自動車保険

三井住友海上 1DAY保険の車両復旧費用保険

衝突、接触等の事故により記名被保険者または指定被保険者が運転中の借用自動車に損害が生じた場合に、被保険者が実際に負担した費用のうち、次の額から免責金額を差し引いた額について、300万円を限度に復旧費用保険金をお支払いします。

借用自動車を修理する場合:修理費の額

代替となる自動車を購入する場合:修理費、代替となる自動車の購入費用および借用自動車の時価額のうち、いずれか低い額

補償概要|1DAY保険

参考:1DAY保険|三井住友海上の1日自動車保険

あいおいニッセイ同和 ワンデーサポーターの車両復旧費用保険

借りたお車が壊れた場合に、修理費などを補償します。

ご契約プラン|ワンデーサポーター

参考;ワンデーサポーター|あいおいニッセイ同和損保の1日自動車保険

ちょいのり保険と1DAY保険の記載が細かく説明されている一方で、ワンデーサポーターはとてもあっさりした説明になっています。各社ウェブサイトに書かれている内容は、1日自動車保険の重要事項説明書や、約款(やっかん)に書かれていることのほんの抜粋でしかありません。より詳細に知りたい場合は、各社ウェブサイトで重要事項説明書や約款(やっかん)を確認してみましょう。

事故を起こした場合にまず壊れるのは借りた車

車両保険をつけた方がよい理由の1つ目は、万が一事故が起きた時に壊れるのは借りた車ということです。当たり前のことですが、見落としがちかもしれません。他の車や、他人をケガさせることに注意がいきがちです。しかし考えてみると、車を運転することによって最も高頻度で発生する損害は、自分で運転している車の損害です。ガードレールや電柱、ブロックや立ち木などに接触する自損事故でも、ぶつかったものはたいして壊れていなくても自分の運転している車は壊れます。歩行者、自転車、他の車とぶつかる事故で、自分の車が全くの無傷、ということは稀です。万が一事故が起きた場合に壊れる可能性が高い借りた車の損害に備えるのは、車両保険というわけです。

借りた車の所有者はあなた(1日自動車保険の契約者)ではない

車両保険をつけた方がよい理由の2つめは、借りた車は、他人の車ということです。1日自動車保険の規定上、各社とも本人名義の車両や、配偶者の名義の車両を運転するケースでは契約できない決まりとなっています。つまり、1日自動車保険の契約者(あなた)は、まず間違いなく他の誰かが所有している自動車を借りて運転するはずです。これも考えてみたら当たり前のことです。

ここで、万が一事故が起きた時のことをイメージしてみてください。借りて運転していた車も、まず壊れているはずです。その車をどうするか。「お金もないし、修理はあきらめて廃車にしてしまおう」と勝手に決められるでしょうか。そんなことできませんよね。親の車なら親が渋々修理代を出してくれるかもしれません。しかし友人などの他人所有の車だった場合、その車をどうするか、という問題は確実に発生します。

加えて、修理する場合であれば修理期間中はその車を使えません。貸してくれた人は、車を使えない間不便しないでしょうか。貸してくれた人が仕事や通勤でどうしても必要な車だった場合、修理期間中にレンタカーを借りるなどするかもしれません。また、車の骨格まで損傷がある場合はその車体はいわゆる事故車扱いとされます。いつか車を買い替えるときに、事故車であることを理由に査定額が大幅に下がるかもしれません。査定額が落ちてしまう損害のことは、「格落ち損害」と呼ばれたりします。それらのリスクに何も備えていない状態で他人の車を運転するのは、心配ではないでしょうか。

通常の、自分が所有している車にかける自動車保険では、車両保険をつけると保険料が大幅に上がるため車両保険はつけていない、というケースも多々あります。これは、「この車が万が一どうかなってしまったとしても、それはあきらめよう」ということです。発生しうる損害は、自分で負担しようという覚悟をしているわけです。それは誰にも迷惑をかけるものではないので、問題の無い選択といえます。しかし、1日自動車保険の場合は別です。他人の所有の車に損害を与えてしまうわけですから。代車代や格落ち損害の部分まで、貸してくれた人があなたに請求することはあまり無いかもしれません。しかし、「いろいろあるけどそれはよしとして、修理代だけ払ってくれたらそれでいいよ」と言われる可能性はあるでしょう。

あなたがハンドルを握ろうとしているその車は、一体いくらくらいの車でしょうか。保険料は1日あたり上乗せ1000円程度で、300万円までの車両保険がつけられます。万が一車両保険を使うことになった場合の免責金額(自己負担額)は10万円~15万円の設定となっています。万が一全損にしてしまっても、免責金額のみ負担すれば300万円までの損害に備えられます。車両保険をつけない理由があるでしょうか。

車両保険の先行支払いの威力

車両保険をつけた方がよい3つめの理由は、車両保険の先行支払いを受けられるため、万が一の事故が起こった場合のストレスが大幅に減るということです。多少細かい話とはなりますが、車両保険が絶大な威力を発揮するシーンの一つです。

車両保険の先行支払いとは

車両保険は、借りた車が事故で壊れた場合、300万円を限度に修理費用ないしは買い替えの費用、または時価額が支払われます。この意味するところは、「相手に何割の過失(責任)割合があるかはさておき、車両保険は払います」ということです。

車両保険の先行払いが威力を発揮するシーン

例えば、交差点で自動車同士の出会いがしらの事故が起きたとします。相手が一旦停止の標識を無視して飛び出してきて、あなたはよけきれずに衝突しました。あなたは「相手の方が圧倒的に悪い事故で、自分は被害側だ、自分が20%くらいじゃないか」と思っているとします。1日自動車保険の担当者も、判例を見たところあなたが20%、相手が80%悪い事故という見解でした。ここで、あなたの借りた車は200万円の時価額(価値)の自動車で、損傷が激しく修理はできそうにありません。修理しようと思ったら400万かかるとの見積もりが出てきたため、いわゆる全損です。借りた車の所有者は、200万円あれば同じ車が買えそうだから200万円もらえればいい、と言っているとします。

つまり、借りた車の損害額は200万円で、あなたの過失が20%、相手の過失が80%という線で相手も了解すれば、スムーズに事故は解決します。ここで重要なポイントは「相手も了解すれば」という仮定です。この仮定がくせものなのです。相手があなたの意向通りに納得するとは限らないのです。このケースの場合、「借りた車の損害額が200万円である」という時価額の問題と、「この事故の過失(責任)割合は20%:80%である」という過失割合の問題です。相手は「あなたの車は新車登録から相当年数経過しているから、時価額は100万までは認める」と言ってくるかもしれません。また「一旦停止は無視していない、止まった上で目測を誤って発進してしまっただけだから、40%:60%までなら認める」と言ってくるかもしれません。時価額や過失割合でお互いの見解が一致しない場合誰が決めるのでしょうか?これは、お互いが決める以外にないのです。お互いの意見や論拠を示しあって、それでも妥協点が見つからなかった場合はどちらかが訴訟提起して裁判を行う他ないのです。

話を車両保険に戻しましょう。もし、このケースで車両保険をつけていた場合、あなたは車両保険の免責金額10万円ないしは15万円を負担するだけで、それを超える190万円ないしは185万円は1日自動車保険の保険会社から先行して支払いを受けられます。借りた車の所有者を長らく待たせることもなく、一旦1日自動車保険の保険会社が先払いをしてくれるわけです。相手から何割分をもらうかどうかは、保険会社の担当者が相手方とやり取りしてくれます。しかしもうそれは関係ありません。保険会社が相手からいくら回収できるかの問題でしかないからです。もちろん、あなたの負担した免責金額分は、相手と示談した時点でまず補てんされるでしょう。しかし、以降で説明する車両保険に加入していなかった場合に直面する問題に比べれば些細な話に思えるはずです。

では、車両保険に加入していなかったらどうなるかを考えましょう。まず、時価額、過失割合の問題が解決しない限り、相手方からは一銭たりとも支払われません。恐ろしいことですが、これが現実です。争点が残っていて、お互いの損害賠償額(支払い額)が決まらない限り、双方の保険会社は賠償保険金を支払えないのです。あなたは思うはずです。「時価額、過失割合のいずれも、少しでも譲れば自分の負担額が増える。しかし自分の主張を繰り返すばかりでは話が前に進まなくなってきた。車を貸してくれた人には200万渡さないと次の車が買えないとせかされている。訴訟に持ち込んだらもっと長期戦になる上に訴訟費用もかかる。一体どうしたらいいのか」と。

結果的に、訴訟を起こさずとも時価額が150万、過失割合が30%:70%であれば解決できそうだとします。すると、相手方から支払われる金額は150万×70%=105万円です。思い出してみましょう。あなたが借りた車の所有者は、「200万円あれば同じ車に買い替えられそうだから、200万あればいいよ」と言っていました。結果的に95万円足りません。あなたは簡単に95万円を支払えますか?車両保険をつけていれば、保険会社がひとまず肩代わりしてくれるという車両保険の先行払いというオプションを使えます。過失割合のある事故では絶大な威力を発揮するということが分かっていただけたでしょうか。

まとめ

車両保険をつけるべき理由について説明しました。1日500円から入れるプランは対人、対物などの最低限の補償と考えるべきでしょう。車両保険をつけるために1日1000円~1200円保険料がUPするその金額だけを見ると、なんだか割高なような、お得感が失われるような気がするのも分かります。しかしこの記事をここまで読んでいただけた方はもう理解しているはずです。車両保険つきプランこそが、万が一事故が起きた場合には最もコストパフォーマンスのよいプランだということを。これから1日自動車保険の利用を検討しているのであれば、必ず車両保険つきプランを検討することをおすすめします。

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